ブラッディ アリス



「……そのときに…リリス家とマリア家が創り出したもの…。『不老』と『不死』のバランスをとるための…『懐中時計』…」

アマリリスが何かを期待するかのように、まっすぐにアリスを見る。


「…懐中…時計……?」


アリスの頭の中で、何かが引っかかった。




「……預かりませんでしたか?…銀色の懐中時計…」




……銀色の……?





「……もしかして…!」

アリスは思わず立ち上がった。



「…ザリチェが持っていたはずです…」




……コノ時計…ドコカデ見タコトアルワネ……




「あの…貸してくれた…時計が……?」

アリスは、あの時ザリチェから懐中時計を借りたのを思い出した。



「…あれ……ドクター・ラマツがコキア様から盗んだ物なんだ…!…実はララとリリは伝書鴉を使って、ザリチェと文通をしてたの!」

サクラランが少し早口で、アリスに向かって期待の眼差しを向けた。



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