ブラッディ アリス
「……アリスちゃん…?」
急に頭を抱え、俯いてしまったアリスを、心配そうに覗き込むサクララン…。
「…何かに迷っているの?…アリス嬢…。……だから…ここに来たのですね…?」
アマリリスは、震えるアリスを見つめながら、ゆっくりと立ち上がった。
「行こう…ララ。…アリス嬢は……過去を見つめ直しに来たのよ…。……『現在』に囚われないために…」
「…そ…そっか…。ごめん…アリスちゃん…。落ち着いたら、話…聞かせてね…」
アリスは俯いたまま、何も言わない…。
「…ゆっくり……夢を見てください…」
アマリリスはアリスの頭を優しく撫で、サクラランの手を引き、静かに部屋を出て行った。