ブラッディ アリス
アリスを襲ったナナリが放った言葉…。
「ラビットは私のもの…。あなたの執事だなんて認めない。この家も財産も全て私のものよ!…どうして次女のあなたが…当主なの…?!……どうして…!!!!」
……ずっと…気になっていたことの…答えが出た瞬間だった……。
…フワッ…
アリスの体を、ラビの持ってきたハーフケットが優しく包む。
「いつもそんな格好で寝ていらっしゃるんですか?…冷えますよ…」
ラビはアリスの左腕だけが外に出るように、ハーフケットをアリスの体に巻きつけた。
「……思ったより傷が深いですね…。跡が残らないようにはしますが…。今日は安静にしていてください…」
「ふ…。……まさか医師免許でも持ってるというの…?…あなたが…」
「……持っています…。他にも免許や資格は、あなたよりありますよ。アサシン(殺し屋)と同等の経験値もある。……ですから…リナリア様に選ばれました……」
「…な……」
アリスは兎の真っ赤な瞳を見つめ、息を呑んだ。