ブラッディ アリス
「そ…それは…長年ベルアベスタ家と親しんできた我がアベル家が…出席しないことには…」
「ならないよね」
カイルがにっこりと笑う。
「…まぁ…この4・5年は連絡もとってなかったし…いい機会よ」
そう言うとアリスは楽しそうに歩き出した。
「もちろん行くでしょ?カイル王子様♪」
「もちろんお供しますよ。親友アリス嬢」
アリスの赤いリボンが妖しく靡く。
退屈な時計仕掛けの世の中で、一人の少女が小さな穴に堕ちて行く。
誰にも止められない。
誰にも止められない…未来。
兎の罠に、転がり落ちた。