ブラッディ アリス
「アリス様…大丈夫ですか?」
アリスがベッドに腰掛けた直後、廊下からラビが現れた。
「…べつに……平気…」
アリスはラビから目を逸らし、荒らされた部屋を見渡す…。
「…ひどいですね…!……シーツにも血が…」
ラビは部屋に入ると、切り刻まれたアイダーダウン(掛け布団)から溢れた羽毛を手に取った。
「……これ……ナナリ様…が……?」
「…そう…」
「…ナナリ様は…?」
「……ある部屋に閉じ込めたわ…。まずは…あなたとゆっくり話がしたくて…」
アリスはゆっくりと目線をラビに移し、じっ…と静かに睨みつける。
そんなアリスを見て、ラビは微かにため息をついた。
「…この部屋以外に…横になれる部屋はありますか…?」
「……上の…四階の……書斎の横に…」
「…では……」
ラビはアリスの背中と膝下に腕を回し、アリスを持ち上げ自分の胸に引き寄せた。