ブラッディ アリス
ラビは少し呆れたように、微かなため息をつく。
「……場所を教えていただけないなら……ずっとこのままですよ…?」
そう告げたラビは、さらに強く、アリスの体を自分へと引き寄せた。
「………」
アリスはラビのシャツから手を離し、廊下の先に向かって指を差す。
「………そこの…両開きの扉が書斎…。その奥の扉にベッドがあるわ…」
「……あの扉…ですね…」
明らかに不機嫌そうな顔のアリスを見下ろし、ラビがクスクスと笑う。
「…殺してやる…」
ボソッと呟いた少女の一言に対し、余裕の笑みを浮かべる兎…。
「…できるものなら…いつでも…どうぞ」
「…えっ?!…」
ラビはにっこりと笑顔を返すと、アリスを左肩に担ぎ上げ、右手で扉のドアノブを握った。
「お…っ…おろしなさい!」
ラビの背中をバシバシと叩くアリス。
「暴れないでください。…もうすぐベッドですから」
降りようとするアリスを抱えながら、ラビはゆっくりと扉を開けた。