ブラッディ アリス



「………ふん…」


ラビが出て行ってしまった部屋で一人…アリスはじっと天井を見つめ続けた…。



一体…何が起こっているのか…。

自分は間違った人間を迎え入れてしまったのか…。

いつも優しくて…少し気弱だったナナリが……なぜ突然、あんな風に変わってしまったのか…。


…自分は…このアベル家を守っていけるの…か…。


「……なん…で…」


ぼやけていく視界…頭がクラクラする…。

傷が痛む…。

チラッと目を向けた左腕の包帯は、だんだんと真紅に染まっていく…。



「なんで……ナナリ…」



父様と母様がいなくなっても…この家に誰一人いなくなっても…ナナリがいるから、大丈夫。

ナナリがいてくれるなら、私は強くいられる。

私はこの家を守っていける。



「…う…っ…」





そう、思っていたのに…。






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