ブラッディ アリス
書斎の仮眠室の扉を開けた瞬間、ラビの背筋には何か寒気のようなものがはしった…。
「…お…お待たせいたしました…」
目線の先には、ベッドに腰掛けニヤリと笑うアリスがいる。
「…?……何か…ございましたか?」
ラビはアリスの雰囲気に違和感を感じていた。
「…何もないわ…」
アリスは自分に近づいてくるラビをじっと見つめる。
「そうですか…。ご用意しておいた服は、お気に召しませんでしたか?」
ラビは裸のままのアリスを見た後、壁にかけてあった洋服に目を向けた。
「いいえ、大丈夫よ」
アリスはラビから目を離さない。
「…ランチのご用意が整いました…ので…」
ラビがもう一度アリスの方を向く。
「わかってるわ。…その前に…」
ベッドに座っていたはずのアリスが…いない…。