ブラッディ アリス





兎を誘ったのは、少女。



「……アリス様……あなたは…」




私に誘惑されたのは、あなた。




「……リナリア様のおっしゃっていたとおりですね…」






兎は少女を、罠に誘い込むつもり。





「あの方は…自分の身に何かあった後、あなたがどんな行動をとるか…とても不安に思っていました…」





あなたは、私が『残虐な性格に育ってしまったから』というキッカケを得た。




「…ですから…あなたを危険な状況から守るため、この私を側近として指名したいと…」





兎の手のひらで、少女が踊る?






「ですが、逆効果でしたね」







その…逆よ。








「…私の性格も歪んでいます。…ですから、アリス様の『娯楽』に…喜んでお供いたしますよ」









踊らされるのは、あなた。







「……ターゲットは…アリス様と同じくらいの…少女が良いですね…。…なるべく高貴な…」








もうわかってる。



すでに導く先が決まっていることを…。




さあ…どの物語から始めるの…?






「……そうですね…。…4月に行われる『エンジェルローズ・コンテスト』…」




「…!……もしかして…あなた……」



ラビの言葉を聴いて、目を大きく見開いたアリス。






「もちろん、リナリア様から仰せつかっていますよ。何があっても、必ずあなたをコンテストに出場させるように…と」





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