ブラッディ アリス


「……やっぱり…出なきゃいけないのね……」


アリスは頭を抱えながら、ゆっくりとベッドに向かった。


「…もしかして……出場しなくても良いと思っていましたか?」

ラビはフッと笑い、壁にかけてある洋服を取りに行く。


「……うん…まぁ………」


コンテストにエントリーするよう言われたとき…アリスは母リナリアにこう質問した。

「今まで表の世界に私を出しませんでしたわ…。どうして急に?」

そのときのリナリアの笑顔を、アリスは思い出す。

「成長したアベル家の次期当主を、ぜひ世間に見てもらわないと…ね」



…何かある…とは思ってた。





「まぁ…当主が出場するなんて前代未聞でしょうけど……退屈しのぎにはなると思いますよ」


…ランジェリー…ワンピース…オープントゥシューズ…。

ラビから手渡されるもの全てが黒で……それは自分が選んだ道…。



「……そうね…。…あなたの用意するゲームも……楽しみだわ…」





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