ブラッディ アリス
Ⅶ
…ピンポンッ…
頭に響いたインターホンの音…。
「………起きた?」
アリスはゆっくりと目を開ける。
「……朝……?…」
ぼんやりと浮かぶシャンデリア…。
全身に触れるハーフケットやシーツの感触…。
どうやら裸のまま寝てしまったらしい…。
「…おはよう……可愛いアリス…」
横を見ると、優しく微笑む裸の執事…。
「誰か来たみたいなんだけど…僕も今さっき目が覚めたから、まだ何も仕度ができてない…」
「…誰か…?……今…何時なの…?」
「6時12分…」
ラビの言葉を聞いたアリスは、はぁとため息をつく。
「カイルね…こんな時間にくるなんて…」
バサッとハーフケットをめくり上げ、アリスはベッドから降りた。
「…カイル…?…カイル王子のこと?」
「そう。何か気に食わないことがあったんだと思うわ…」
クローゼットの扉に用意されていたバスローブを羽織り、アリスは慌てて部屋を出た。