ブラッディ アリス




「さて…、お母様。お別れですわ」


アリスの姿が見えなくなると、キオネは不適な笑みを浮かべながらシャルル夫人に近づいて言った。


「…」

絶望的な表情で、実の娘を見つめるシャルル夫人。

そんな夫人を嬉しそうに眺めながら、キオネは夫人を抱きしめると耳元で小さく囁いた。


「安心してくださいませ。すぐにアリスも、冥界へお送りいたしますわ」

「…!」

その言葉を聞いたシャルル夫人は、キオネを思い切り突き飛ばし、殴ろうと腕を上げた。


「きゃあっ!!」

「な…!何をしている…?!受刑者を抑えろ!」

そばでその光景を見ていた司祭数人が、慌ててシャルル夫人の体を抑える。

床に突き飛ばされたキオネは泣きながら侯爵にすがりつき、そのまま侯爵と女司祭になだめられながらキオネは席へと歩いて行った。





「…受刑者を…処刑台へ…」

事の全てを黙って見ていた司教は、夫人を抑える司祭たちにそう告げると、静かに処刑台に上がる。






「…これより……罪人シャルル・コクト・ナ・ラソエラの処刑を開始する…」






















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