ブラッディ アリス



処刑台の上の、鉄板の囲い。
それはだいたい受刑者の腰くらいの高さまである。

そこに入る際、受刑者は裸足に頑丈な足枷をはめられる為、たとえ乗り越えられる高さの囲いでも脱出は不可能。

床にも鉄板が敷いてあり、それらの鉄板は合図によって一気に高温に熱される。

まず受刑者が苦しむのは、その高熱に焼けゆく足の激痛。
周りの鉄板も高熱のため触れることすらできず、受刑者はその狭い空間でただひたすらもがくしかない。

だが数分後、すぐに鉄板の囲いの中で放火が始まる。

その火は燃えやすい素材で出来た受刑者の服にすぐさま燃え移り、業火となって体を焼き尽くす。



「…おぉ…」
「きゃぁ…」

だんだんと赤くなる鉄板を怯えるような顔で見つめる…好奇なだけに集まった多くの民衆たち。

今まで人が目の前で死ぬのを平気で見てきたアリスとラビとカイルでさえ…処刑というものは背筋が寒くなるように感じた。


鉄の囲いの中で、シャルル夫人が口を動かしながら、必死に助けを求めているようだが…言葉は何も発せられない。

徐々に顔がすさまじく変貌し、それと同時に放火が始まる。

シャルル夫人の服にはすぐに炎が燃え移り、もうどうしようもないくらい夫人の体は焼けて黒くなっていく…。


人の体が焼ける臭い。
遠くにいても感じる熱さ。

マスコミはカメラを回し続け、汗を流しながらもその悲惨な光景を撮り続ける…。




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