ブラッディ アリス
アリスは壁に寄りかかると、真っ白な封筒を開ける。
中には一枚の紙…。
そこに書いてることを、アリスはラビとカイルにも聞こえるように読んだ。
親愛なるアリス・アベル様
母を共に見送ってくださって誠に感謝しております。
母が亡くなった今、あなただけにお話したい真実があります。
幼い頃よく遊んだ、屋敷の裏の森の中にある…小屋を覚えていらっしゃいますか?
そこでお待ちしております。
キオネ・ブランシュ・ネージュ・ベルアベスタ
「…呼び出す前に、呼び出されてしまいましたわ…」
アリスは手紙をラビに渡すと、出口に向かう。
「また一人で行くのか?」
ラビが手紙に目を通し、歩いていくアリスに尋ねた。
「…まさか…。最高のクライマックスはラビに提供していただかなくちゃ…ね?」
アリスは振り返り、満面の笑みで言葉を返す。
ラビは優しく微笑むと、カイルの肩をポンッと叩き出口へと歩き出した。
「あいつのことは…いいのか?」
カイルは処刑場のある方を見ながら呟いた後、二人の後を追った。