ブラッディ アリス
「証拠は…昨夜撮らせていただいた写真ですわ」
「!!」
ケータイの画面には、はっきりと映る侯爵とキオネの姿。
「や…やはり…お前が…ぁぁぁぁあ!」
ケータイを握り締め発狂し始める侯爵は、アリスの首を片手で掴み、そのまま体を思い切り壁に叩きつける。
「…うっ…」
アリスはスカートの裾をゆっくり持ち上げ、隠してあった拳銃に手をかけた。
次の瞬間、二人を影が覆う。
「アベル家当主に暴行を加えるとは…よいご身分ですね?侯爵」
気づけば侯爵の後ろにはラビが立ち、侯爵の首にナイフを突きつけている。
「…アリス様を離さないと、あなたも冥界に行くことになりますよ?」
「…くっ」
侯爵はナイフを見ると、徐々に手の力を抜いた。