ブラッディ アリス


「来ましたわ…」

森小屋に近づくアリスを確認したキオネは、ニヤリと笑ってカーテンを閉めた。



数名の人影が、暗い森小屋の中をうごめく…。

「キオネ様…あの男はどうします?」

「そうですわね…。殺すのは勿体ないけれど…まぁ…仕方ないですわ…」

クスクスと笑いながら、キオネはテーブルの上の拳銃を手に取る。



…カチャ…。





森小屋にたどり着いたアリスとラビは、隠してあったそれぞれの拳銃に弾を入れ、また服の中に隠す。

「…僕が先に行く」

「…わかったわ」




舞い上がるアリスの長い金髪が、陽の光を浴びて透き通る。





木々の間を抜ける風…。




ざわめく鳥たち…。





ラビは静かに、扉をノックした。





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