ブラッディ アリス
「憎い?…ですって?」
だんだんと険しくなるキオネの顔…。
「ええ…!ずっと憎かった!妬ましかったわ!だからあなたの全てを奪ってやろうと思った!その最高例がシャリオ司教よ!!」
キオネは立ち上がり、座っていた椅子を蹴り倒すと、指をパチンッと鳴らした。
その合図でアリスの両脇にいた男の一人がアリスを持ち上げ、そばにあったベッドにアリスを寝かせる。
「なに…っ?!」
アリスが起き上がろうとすると、別の男達が強い力で体を押さえつける。
「…ここに来なければ…死なずに済みましたのに…」
身動きのとれないアリスを、楽しそうに見下ろすキオネ。
「私が死んだら、カイルがあなたを許さないわ」
「…あら?どうかしら…?…ねぇアリス…リリス家が作る『媚薬』をご存知?…私の大好きなリンゴを使う…あの『媚薬』の作り方を教えてもらったの…。もうすでに用意してあるのよ…ふふ…」
嬉しそうに笑うキオネを睨みながら、必死に体を動かそうとするアリス。
「その『媚薬』を使えば、カイル王子は一瞬で私のもの」
キオネはそう言うと振り返り、扉の方に向かった。