恋した悪魔は照れ屋さん
男を蹴り飛ばしたルウェは急いで奈々に駆け寄った。

「遅くなってごめんっ!怖かったよな・・・」

そういって抱き寄せて背中を撫でてくれる。

そんな優しさがうれしくてまた涙が出る。

「兄上。フェイ。あの男の始末お願いします。」

「あぁ。弟の花嫁に触れたのだからね。塵も残さないよ。」

「今日ばかりは王子の意見に賛成ですね。」

そんな2人にルウェはふっと笑った。

そして2人は窓から出て行くとルウェは奈々をこちらに向かせた。

「奈々・・・キスされたの?」

「うん・・・ぐず」

ルウェは辛そうな表情で奈々を覗き込んだ。

「大丈夫。すぐ消毒するからね」

そういって奈々に口付けた。

でもそのキスは甘くて怖くなかった。

ただ・・・もっとしたいと思った。

(ボーとするよぉ・・・奈々おかしいのかな?)

潤んだ目でルウェを見るとルウェは笑っていた。

そんな笑顔に安心できる。

奈々も自然に微笑んだ。

そしてこのルウェが何回もキスしている内に奈々は眠った。

「ごめんな・・もうこんな事させねーから。」

最後に額にキスして窓から外に下りた。
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