愛しすぎて。短編集
亜由紗の家に着いてから
「ばいばい。」
と交わしてすぐに自分の家へと向かう。
どうかと思われるかもしれないけど…
これは今の俺にできる最大限の大人な振る舞いなんだ。
怒りに任せて怒鳴る事が多い俺にとって
黙っている事も大切なことだって思えたから。
何も語らず亜由紗の言葉を待つことにするよ。
でも……長くは待てない
膨らむ《俺の片想い》の気持ちが破裂してしまうまで
破裂してしまったら――――
別れる道しか残っていない。
相手を想うこと
それは大切な事だけどその反面
俺自身を駄目にする。
だからそれまでにどうか全てを話してほしい……。