愛しすぎて。短編集
「今日はもう遅いから。それに俺たちはまたすぐにでも会えるよ」
「デートとか全然できないもんっ」
「じゃあ…今度の日曜空いてる」
「うんっ☆空ける♪」
「その日に二人でどっか行こう。だから…今日は帰ろう」
「……尚輝は私と一緒にいたいって思ってくれないのだから…そんなに帰りたがるの」
うるうると涙を目に溜めて―――
そんな事言わないでよ…俺今精一杯頑張ってんだから……。
「違うよ。俺だって本当は…朝まで一緒にいたいって思ってる。でも俺の我が儘で亜由紗の家族に心配をかけたくない。」
「そんなこと関係ない私も尚輝と朝まで…。」
「それ以上言うな」
「………っ。」
「俺だって本当はそう思ってるよ…でも…俺はずっと亜由紗の側にいたいから今ダメになりたくないんだ。わかってくれ…。」
これ以上亜由紗が何か言うものなら
俺はきっと……
こんな所で亜由紗を抱いてしまう――――。