愛しすぎて。短編集
「わかった。じゃあ日曜まで我慢する。」
我慢って…
それは男のセリフだろ(笑)
「ん。そんじゃあ帰るかっ。」
そう言って立ち上がった俺の上着を掴む亜由紗。
「亜由紗」
「でもキスぐらいだったらいいでしょ」
なんなんだ…
今日のこの積極的な亜由紗は。
キスだけ…
そう自分に言い聞かせ唇を重ねた。
あの男が触れた後を消すように
何度も何度も―――。
そっと離れた俺たちは見つめ合って笑い合う。
そして立ち上がり、俺は亜由紗に向けて左手を伸ばした。
嬉しそうに手を繋ぐ亜由紗に見とれながら
さりげなく指を絡める。
その事に驚き、俺を見上げる亜由紗に笑いかけると
亜由紗も笑顔になって
手を絡めたまま仲良く亜由紗の家へと帰った。
亜由紗&尚輝
『ある日曜日』に続く☆