愛しすぎて。短編集
私がぐいぐい押した事もあって、両想いになれたんだけど
その規則が私達を悩ませた。
でも気持ちが強くなるにつれて、恋人になれない事が辛くて…。
人の目に付くところには二人きりになれないし、二人きりではどこにも行けない―――
デートらしいことはほとんどできないことを承知で、私達の交際がスタートした。
部活中はもちろん側にいけない。
部活が忙しいからデートもほぼできない。
月に一度どちらかの家で会うぐらいしかできない、私達の唯一の救いは携帯だった。
夜の家での電話、日頃のメールは誰にも見られる事がない。
だから私達は、携帯を用いてお互いの気持ちを確かめ合ったんだ。
‘好き’とか
‘愛してる’とか
時には‘あいつと仲良くしすぎ’ってヤキモチを妬き合ったりもしてた。