愛しすぎて。短編集
side恭平
いつからだったかな。
追いかけられてたはずなのに,俺が追っていた。
マネージャーだから部員と関わるのなんて当たり前。
わかってるのに我慢できないくらい好きになってた。
ダメだってわかってても隠れて付き合って,俺たちなりに恋愛をしていた時…
キャプテンに俺が選ばれた。
サッカーしか考えてなかった俺がまず浮かんだのが,律季との関係。
キャプテンは部員の上に立つ存在。
だから必然的に別れなきゃならない。
だから俺はキャプテンになるつもりなかった。
キャプテンになる事よりも,律季の側にいたかった。
でも俺のちょっとした意地悪。
「別れようか…」
の言葉に
「そうだね」
て返事をした律季。
そうか…もう俺の事
俺の事…好きじゃないんだね。
「嫌だ」
て言って欲しくて聞いたはずなのに……。