愛しすぎて。短編集
気が付けば家のベッドで
どうやって帰ったのか覚えていない。
だけどあの後、男が亜由紗に何かを話して帰って行った事だけは
鮮明に覚えているんだ…。
夢だってことになればどれだけ嬉しいことか――――
でも現実はそう上手くはいかない。
待たずとも朝がやってきて
俺は朝練の為に学校に向かい
また一日が始まる。
亜由紗と顔を合わせたら
俺は一体どういう態度をとるのかな…
もちろん許せない
だけど亜由紗を責めるのは何だか違う気がする。
だって亜由紗も被害者なんだから
…被害者なんだよね
もしかしてキスすることを望んでいた
まず亜由紗の口から昨日の出来事を俺に伝えて欲しい。
じゃないと俺は亜由紗さえも疑ってしまう。
俺は今立ち止まったまま
動けないよ………