愛しすぎて。短編集

朝練が終わり教室に向かう途中



廊下で亜由紗と会った。



「おはよう☆」


と昨日の事なんて何もなかったかのように


笑顔で答えるのはどうして



「おはよ…。」


無愛想にそう言って俺はまた教室に向かった。


驚いた顔でただ俺を見るだけの亜由紗



どうやら亜由紗は俺に何も言わないつもりらしい――――





授業中に考えることは一つだけ。



亜由紗のことだけで…



考えないようにしても勝手に頭が亜由紗のことを考えてしまうのに



亜由紗は昨日のことを俺に伝えようとか申し訳ないとか



考えたりはしないんだね。


いつの間にか薄れていた《俺の片想い》の気持ちは



突然また現れて


大きく大きく膨れ上がり、今破裂しそうになっている。





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