恋心
そして駅に向かう角を曲がった

私は目に飛び込んできた光景に目を疑った

なんと駅には真奈美ちゃんと野田くんの姿があった


私は平常心を装い歩く足を止めなかった

向こうはまだ私たちに気付いていない

するといきなり真くんが私の腕を掴み脇道に入った

私はいきなりの事にビックリしたが真くんはそのまま脇道を歩き出す

真くんは私に気を使ってくれているんだろう。何も言わないまま歩き続けた



私は何で駅にあの2人がいるのか気になった

2人とも電車で通っていない。なのに何で?

そんな事を考えながらふと前を向くとそこは駅の裏だった。階段を昇れば私が乗る電車のホームに行ける


真くんは地元だからそんな道も知ってるんだね

あの2人の前を通る勇気もなかった私は真くんに救われた。今日真くんが一緒で本当によかった

「ありがとうね」

私は呟いた。真くんは私の方を見て

「お役にたてて光栄です」

とおどけた
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