恋心
私は状況が読めずにいた

そんな私に

「いきなり下がるとぶつかっちゃうよ」

と優しく言った

真くんは肩に回した手を外し

「薫に電話してみるね」

と言い携帯を取り出した。私は黙ったまま頷く事も出来ずにいた

そんな私を見て真くんはクスクスと笑いながら


「可愛い」

と言った。私は顔から火が出るぐらい恥ずかしかった

真くんに背中を向け火照った頬に手を当てた

私、何ドキドキしてんの!落ち着け~

心の中で叫んでいると

「薫たちもうちょっと先にいるみたい…行く?それともここで待つ?」


聞かれたけど耳に入らなかった

そんな私の手を握り真くんは人の流れから外れた所に引っ張って行った

そして私たちは川原に座った

「何か飲む?何がいい?」

真くんはそう言って立ち上がった。私は

「オレンジジュース…」

とだけ答えた

真くんが去っていく


真くんってこんなに強引だったかな…確か少し前までは遠慮がちな子だったのにな…お祭りムードがそうさしたのかな…

そんな事を考えていると

「……いた…」

そんな声が聞こえて我にかえった

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