恋心
そんな私たちの重い沈黙を破ったのは真くんだった

「すみませ~ん!僕らがはぐれたから探しに来てくれたんです」

と笑って言い、私に

「戻りましょうか」

と言った。そして野田くんの耳元で何か囁いた


野田くんはその言葉に反応したが睨むだけで何も言わなかった

私は真奈美ちゃんの方を見ないように真くんと歩き出した



少し離れた所で私は真くんに

「さっき野田くんに何て言ったの?」

と聞いたが真くんは笑顔を見せてくれただけで教えてくれなかった


私はそれ以上聞かずにみんなのところに戻り花火を見た

私はボーッと見上げながらさっきの事を考えてた

私の上の空に気づいた真くんは

「綺麗ですね」

そう言って笑った。私も

「綺麗だね」

と答えた


でも花火何て殆んど見てなかった。私はどうしてもさっき真くんが何を言ったのかが気になり

「ねぇ、さっき何言ったの?」

と聞いた。真くんは上を見上げたまま何も言わなかった

諦めようとした時だった


「野田くんが今一番ムカつく事だよ。それ以上は言わない!」

と真剣な目でこっちを見ながら言った
< 69 / 84 >

この作品をシェア

pagetop