ホンモノノキミ
「それって、年下君の笑った顔がホンモノって思ったからじゃないの」
ドクンッと心臓が大きく揺れる。
「……わ、からない」
「…そっか、でも年下君の笑顔がずっと傍にあるって保障はないんだからね」
「……うん」
お昼休みの終了を告げるチャイムが耳に響き渡る。
智美の最後に言った言葉が頭の中で何回もリピートする。
『年下君の笑顔がずっと傍にあるって保障はないんだからね』
あたしにとって、室井君は何なんだろう
最初こそは嫌だったし、うざかったし
邪魔だったし、ムカつくガキだとも思った
でも
真っ直ぐに伝えてくる室井君の言葉は
今まで聞いたどんな言葉よりも、嬉しかった。
あたしに向けてくれるあの笑顔が眩しかった。
消える事のない太陽みたいな