ホンモノノキミ
「先輩……」
「ん?」
「浮気しないでくださいよ?」
「……しちゃったらどうする」
ちょっとからかってやろうかと、わざと言ったつもり、だったんだけど。
「奪い取ります」
「え…」
「俺言ったでしょ?『実帆先輩がどんなに俺を振りほどこうとしても、俺は何回でも実帆先輩を捕まえに行くから』って」
「あぁ…」
ふざけて聞いたつもりだったのが、真面目に返されてちょっと胸騒ぎがする。
何か、陸のこういう言葉いつ聞いても慣れない…
でも
陸の腰に回してる腕に力を入れてぎゅっと抱きしめる。
「先輩?」
「好きだよ、陸」
「っ先輩っ可愛いっ!!」
「わっ、いきなり止まらないでよっ」
【離れても膨らむキモチ】
「先輩っ…」
「…何デスカ?」
「言ってなかったけど、俺、先輩の学校受験しますから」
「え゛っ」
(ドッキリ大成功?)
*END*