ホンモノノキミ
「キミ、中学生でしょ」
「はい」
「中学校の道は高校と真反対だよ」
「いいんです」
男の子の返事に眉を潜める。
「何で?」
「少しでも先輩と一緒にいたいから」
「っ?!」
白い歯を見せて、ニコッと笑うその無垢な笑み、ついほっぺたが赤くなってしまった。
ヤバイ…
何かキュンとしてしまった…
ブンブンと顔を横に振り、変な靄を払う。
「先輩、何してんですか?ほんとに遅刻しますよ」
「……今日だけね」
何だか男の子の気持ちを無碍にするにもいかないので、仕方ないから男の子の後ろに座る事にした。
あたしが座ったのを確認すると、満足そうな顔をした男の子。
どうやら、あたしは変な男の子に絡まれてしまったようです