小悪魔彼氏
隣の席をこっそりつつく。

あたしに気づいた歩は怪訝そうに眉を寄せた。

「なんだよ。百合」

「歩。シャー芯がめちゃ落ちてる。あと・・イライラする気持ちも分かるけど・・あれはしちゃダメだよ」

今から三ヶ月前、歩にあれをされてしまった先生は再起不能になってたし。


たらたらと授業をする新任教師に目をやりながらそう言うと歩がクスリと笑った。

「でもみんなも退屈してるみたいだし?俺が、みんなを楽しませてやるよ」

「歩!」

「せんせーい」

歩はあたしの言葉なんてお構い無しに大きく手を上げた。

歩お得意な猫なで声で。

ちなみにこの声は女のあたしよりもとても可愛い。



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