小悪魔彼氏
「大丈夫です・・。理由はわかってるから・・」

カタン、と歩は立ち上がり先生を上目使い(ここ重要)で見つめながら話を続ける。

クラスのみんなは終わりが見えてきて笑いをこらえるのに必死だ。

「理由とはなんだ?歩」

「ぐすん・・ぐすん・・」

「歩!?」

「ごっごめんなさい・・。。あっ歩・・・歩・・っ」

両手でごしごしと目をこする姿は女のあたしも可愛すぎると思う。

「どうした歩・・」

「先生・・歩・・・・・・・・・・・・・先生のことが・・・・・・・・・・・・・す・・き、なんです・・・。す・・きなのぉ!!だから先生を見てると顔が熱くなって、胸がドキドキするのぉ」

ドッキューン!!!!!!!!

クラスの女子はきゃあー!と黄色い悲鳴をあげ、男子達は股間を押えうなだれた。
もちろん先生も。

「お、、、俺はホモじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

先生はそう叫びながら真っ赤な顔を押え教室を後にした。

「俺だってホモじゃねえよ」

そう言って席に着いた歩に降り注ぐ拍手の雨。

これがあたしの彼氏。

己の可愛さを使い相手が男だろうが老女だろうが必ず落としてしまう伝説の男。


人は皆口をそろえて言う。

あたしの彼氏水谷歩は…

小悪魔彼氏だと。
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