幸せをあつめて
次の日の夜。私は彼の家を思い切って訪ねてみることにした。

不審者って思われるかな。変な人って思われるかな。ストーカーって思われるかな…。
不安だったが、それよりも私は彼のことが心配だった。


インターホンを押そうとした指は震えている。心臓の鼓動が速く、強くなっていくのがわかった。

落ち着け、落ち着け私。
大丈夫、大丈夫。
深呼吸を一回して、ようやく鼓動が静まってきた。


インターホンのボタンをそっと押す。
20秒ほど待っただろうか。
「はい」

それは、いつもの彼だった。
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