偽りロマンチカ



絵里さんの友達の人が言ったのは本当の事。


航平は、絵里さんが忘れられないから


忘れようと思って、絵里さんにフられて直ぐ後にしたあたしの告白を受け入れた。


そこに愛なんて感情はない。


好きだった人を忘れるためだけのよりどころ。


外にはもう誰も居なくなったのに、あたしはそこから出る事が出来なかった。


今出たら、きっと教室には絵里さんがいるだろう。


航平に本当の事を伝えるために。


航平は絵里さんの思いを絶対受け止めるに決まってる。


だって


航平は結局今でも絵里さんを好きだから。



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