偽りロマンチカ



廊下で絵里さんとすれ違う度に、ついつい目で追っている航平をあたしは知ってる。


だからって何か口を出せるほどそんなにあたしは強くない。


それに彼女に未練が残っている彼が欲しかった欲張りな自分のせいでもある。


もしかしたらそろそろ終わり時だったのかも。


いつまでも一方通行の気持ちで付き合っているこの偽りの「恋人」関係。


あたしはこのままがいい。


でも航平は絵里さんのもとに戻りたいのかもしれない。




もし、その時が来たなら


そしたら


あたしは終わりに出来るだろうか



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