偽りロマンチカ
明日はとうとう朱里を家に呼ぶ日。
担任が挨拶をして、席を立ち朱里の席の方を見る。
が、顔が一瞬固まる。
やべぇ、何今から緊張してんだよ
いや…でもどんな顔して朱里の顔見れば…
って俺は女かっ
1人ノリツッコミという虚しい芸をした事に溜め息をつきながら、気合溜めのために両手で思いっきり頬を叩く。
「よしっ…」
ガタッと席から立ち、今度こそちゃんと朱里の席を見る。
けれど、俺と同時に立ち上がりバックを机の上に置いて走って教室を出て行った朱里。
な、…何だ…?
一瞬追いかけようとも思ったが、何だかもの凄く気持ち悪そうな顔をしていたのであえて触れないでおこうと思い、追いかけないことにした。