偽りロマンチカ



「朱里の言ったとおり。最初は絵里と別れた後、どうでも良くなって、いい加減なキモチで好きでもないのに朱里の告白をOKした。…それは最低だったと思う…本当に…」




辛そうな顔をしながら「ごめん」と呟く航平に本当にちゃんと謝ってくれている事が分かる。


そんな航平を何だか見ていられなくて




「そんな…謝るのはあた「朱里は黙ってて」




喋ろうとしたあたしの口を人差し指で唇の上にぴしっと乗せられ口を挟む事を制止させられた。


あたしは満足しきれないような顔をしながら取りあえず黙る。


そんなあたしを見て「いい子」と1回クスッと笑いながら、また話に戻る。




「でも…誤解しないで欲しい。確かに「偽り」のキモチで接していた…昔はね。」



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