偽りロマンチカ
ばふんっと勢いよくベッドに体を投げ出す。
手をのばし、ハートのクッションを胸の中に抱きしめる。
「ふぅ……ホンキで言ってるのかな…」
天井を見上げながら頭の中で航平の言った事を何回も繰り返す。
あれって…やっぱり…そういう事だよね…
ごろっと体を回転させてベッドに顔を埋める。
航平とそういう事が出来るのは何よりも嬉しい。
嬉しいには変わりないけど、それと同時に
胸の中を虚しさが込み上げる。
そう、もし航平と繋がる事が出来ても
きっとあたしに残るのは嬉しさなんて綺麗なものより、虚しさだけだろう。
だって、航平は
あたしを偽りの気持ちで接しているから。