粉雪
「ぅおーい!こーこーろーちゃぁん♪」


ん?

靴を持ったまま振り返る。





そこにいたのはやはり大塚君...


ではなく、

栗田君。


「なにそのちょっと嫌そうな顔ー!」

頬を膨らませあたしを見る。


ん-...

朝の印象がどんどん崩れていく..。


「....はぁ。」


「ため息つくなって!まぁ体育館入りまっせー♪」


そう言いながら露骨に嫌そうな顔をするあたしのことなどお構いなし
に腕を引っ張って体育館の中に連れて行く。


--あ、引きずっていく。



体育館の中に入った栗田君はあたしを見て、ふ、と笑う。



「な、なに?」

「いや、だってまだローファー持ってんだもん。
なんで靴箱においてこなかったん?」

はぁー!?


「だって栗田君があたしのこと無理やり引きずってきたからでしょー!?」

怒って拳を上下させるあたしを見てまた笑う。

「わかったわかったwじゃぁ置いてきてやるよw」


そう言ってあたしの靴を取って出ていく。

「あ、ありがとう...。」

出口からひょこっと顔を出した栗田君は、
にこって笑う。

「どういたしましてー。あ、あと、栗田君じゃなくて要って呼べ!」


そう言って出て行った。



な、なんか...


笑顔が超かっこいい!!!!!


思わず胸キュンしちゃったよぉ...。
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