粉雪
気付いたらもう学校は終わっていて、
あたしは帰り道を自転車で通っていた。
目につくのは、
初めて嶺君と会った
あの公園。
桜の花は満開で、
あたしは自転車をとめて
桜の根元に立った。
綺麗なその花は、
私には美しすぎて
眩しかった。
嶺君
嶺君
会いたいよぉ...
放課後、
見て見ぬふりした光景を思い出す。
嶺君の腕に自分の腕を絡め、
「一緒に帰ろう!」
と上目づかいで言う美羽チャン。
笑いながら「いいよ。」と答える嶺君。
二人が教室を一緒に出ていく姿が目に貼りついたまま消えない。
なんで一緒にるの?