粉雪
とにかく校門を見る。
目を皿の様にして。

すると...

「いたっ!!!!」
 
思わず声が出てしまった。

だって彼が、あの美少年があたしの高校、美竜高校の門を通ったんだもん!


...でもさすがに校門に迎えに行けないし...。


結構奥手だから。


ここのクラスかな!?
違うのかな!?

そわそわしながらずっと校門を見下ろす。

あれー?
あの人どこ行ったのかなー?

見失っちゃったよ...。


あーあ。

はぁー。(ため息)



「そんなに身を乗り出したら危ないよ?」


後ろから声をかけられる。
ちょっと一瞬驚いて、
でももしかしたら例のあの人かも!!
って思って期待を込めて振り返った!


...んだけど..。


振り返ったらなんか落ち込んだ。
だってあの人じゃなかったんだもん。



なんか黒ぶち眼鏡をかけたぼさぼさ頭の男子。
背は175くらいかな?
前髪長くて顔見えないし。
なんか細くて、モヤシみたい。
なんかキモイ。


思わずため息。


はぁー。







< 6 / 29 >

この作品をシェア

pagetop