粉雪
「何!?なんでそこでため息つくんや!?」
ごちゃごちゃ五月蠅い、モヤシ。


「んー、いや別になんでもないっすよ?」

ちょっと八つ当たり。


「まぁいい。俺お前の前の席。」

そう言いながらあたしの前の席にバッグを置き、椅子に座る。


「ぇえー」
ちょっと感じ悪くしてやる。
モヤシめ!


振り返り、あたしに体を向けるモヤシ。


「なんだよ。不満か?」
眉間にしわを寄せながら言う。


--不満に決まってるじゃないですかーぁ。

「前向いてください。」



「ぅわ、ひでー奴。これからお前ツンタロウな。」


意地悪そうな笑みを浮かべるモヤシ。
なんだし「ツンタロウ」って。


「なにツンタロウって。」


「ツンツンしとるから。」


-は?


「ネーミングセンスなさすぎじゃね?」



「うっせーツンタロウ」
ようやく前を向きなおしたモヤシ。


仲良くなれそうにない。


あとは隣を期待するか。


あの公園で会ったあの人がいいなー



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