君が君を好きになって。
菜束は顔を近付けた。
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芹沢が音楽室に居る時
月、木
(吹奏楽が使わない時)
15:45頃〜
17:00迄
注:)気まぐれで変わる
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「…何で」
それは菜束が一番知りたかったことだった。
「ねぇ」
菜束の隣に、先程の女の子が立っていた。
「わ、…私?」
「さっき見てて思ったんだけど…綿貫、ね」
「?」
「今、元カノとヨリ戻そうとしてるからあんまりそういう話しないであげてって言いに来たの。じゃ」
莉桜は菜束の返答など待たずに踵を返してしまった。
菜束は何を言われたのかすらも分からずに、ただ鞄の中の漫画を見つめていた。