君が君を好きになって。
本当に碧の言った通り、ゆーちゃん(部長らしい)は碧を解放したらしい。
「小玲何駅で降りんの?」
「あ、西新井」
「西新井?俺ら北千住だよ」
「近かったんだー、小玲の家!知らなかった知らなかった」
一緒に帰るとは言え、碧と白羽の話を横で聞きながら、いつも通り電車に乗って、時々話し掛けられて答える、そんな感じだった。
「そーいやテスト。しろ何位?小玲も聞きたくない?しろの順位!」
「うん…何と無く判るけど」
菜束の学年は300人居る。
「───…45、だったかな。小玲は?」
「えっ、私?私…は、137位…だったよ」
とは言え前回から40位も上がったのだ。
中の下から中の上になったと菜束はかなり喜んでいた。
「…何この流れ。俺に言えと?」
「え、言わないの?」
「ほら小玲も言ってるよ?腐るもんじゃないだろうに、順位なんて」
碧は言いたくなさそうにちょいちょいと二人を集めた。
──低そうだけど、低いのかな…
「…3位?」
「何だ、いつも通りじゃん」
「………っ!(言葉にならない)」
「あれ、小玲?」
「あ、頭良いんだ…」
「そんなことな」
「こいつ嫌になるくらい頭良いよ。悔しいから教えてもらいな?」
「お願いします…」