君が君を好きになって。
ワルツ第七番 嬰ハ短調
「あー!小玲ちゃんおはよーっ」
「おはよう、由佳ちゃん」
「もー暇だよぉ。遊び行こうね?」
「うん」
「あ!綿貫に番号教えて平気だった?別に悪用する人じゃないなと思って!」
「うん」
「そっかぁ!じゃ私ちょっと用あるから後でね!」
菜束に手を振って由佳は走って行った。
ガラッ。
「あ、誰も居ない」
菜束は一番乗りだったらしく、教室には誰も居なかった。
「最初かぁ…」
菜束はこの前座った席に座って窓から外を眺めた。
陸上部、サッカー部、野球部、テニス部…。
様々な部活が入り乱れて活動をしている。
そんな様子を菜束はぼうっと眺めてから、机の落書きに目を移して暇を潰した。
そんなことをしている間に徐徐に人は集まって、教室は賑やかになった。
「あ、綿貫おはよー!部活じゃなかったんだ?」
「うん?部活だけどこっち優先なんでしょ?」
「そーだけど、律儀なヤツー」
「ほとんど部活行っちゃってるよ?皆」
「えー?じゃあ部活行こうかな」
「ダメ!綿貫居ないとなぁ!」
賑やか…。