君が君を好きになって。
菜束は碧の人気に頷きながら、時計を見上げた。
開始時間を過ぎていて、菜束は少し不安になった。
碧が隣に座る。
菜束の目が自然に碧に向いた。
碧が笑う。
「おはよ、小玲」
「おはよう…!」
何てことはない、いつもの挨拶なのだろう。
でも、菜束にとってそれはとてもかけがえのない、特別なものに思えた。
その時。
菜束の携帯のバイブ音が鳴り出した。
「え。あ、私か…」
鞄から取り出して、開くと、夏実からのメールだった。
菜束が碧を不安な目で見上げると、碧は不思議そうに首を傾げた。
「お姉ちゃんから…メール」
「え!ちょ、何て書いてある!?」
「え、ええと…っ」
菜束は慌てて画面を見た。