君が君を好きになって。
「じゃ、俺部活行って来る!暇だったら遊びに来て!」
「うん。頑張ってね」
「頑張る!」
菜束は美術室へ向かった。
「あ、居た。小玲!」
「え…芹沢君!」
「美術室かなと思って…。暇だから」
「綿貫は部活に行ったよ?」
「今会ってね、準備体操見てもつまらないから…」
「そっかぁ」
白羽は笑った菜束に笑い返した。
「絵描くの?」
「あー…ううん。美術室落ち着くから」
「分かる気がする」
ガチャッ。
「どうぞ…っていうのもアレだけど」
「あはは、お邪魔します」
菜束が電気を付けて、適当な椅子に座って時計を見上げた時、白羽が口を開いた。
「彼奴…あおさ、何か変でしょ」
白羽はこっちを向いて少し笑っていた。
「空気が?」
「そうそう。分かるんだ…?誰にでも当たり障り無く接するからさ、」
「うん」
「“親友”なのに、不安になる」
「…そんなことないよ。きっと…絶対大切に思ってる」