君が君を好きになって。
「おはよう、綿貫」
「う、わっ!小玲?え、小玲!?」
「本物だよ」
「出てきて平気なの?」
菜束は当たり前にうなずいた。
「大丈夫だよ。試合頑張ってね」
碧は暫く表情を固めていたが、深く頷いて笑顔になった。
「…とはいえ俺今日ベンチ」
「えっ?ちょっとー…」
「欠席ってことで小玲と見てようかな。いいでしょ?」
「…!」
菜束は顔を上げた。
「うん!」
「二人共、あっち行かない?」
後ろから白羽の声がして、菜束は驚きに振り向いた。
「お久しぶり、です」
「うん、久しぶり」
「しろ、あっちって何処?」
「行こ」
「ラジャ。小玲も、行こう」
「うん」