君が君を好きになって。

碧が菜束の背中に腕を回して、背中を撫でてくれていた。



「俺、小玲泣かせちゃったね」



碧はとても辛そうだった。
声しか聞こえなかった。



でも、辛そうだった。



「もう俺には謝んないで」


「…」









「──痛いよ…」


碧が完全にしゃがみ込む。

菜束はそんな碧にしがみつくように彼の背中に手を回した。



碧のユニフォームを握れば、



家に居るよりも、安心する。





そんな気がした。